名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】

 ベリが丘に住む人々の様々なニーズに応えるためか、このジュエリーショップには、ダイヤモンドがふんだんに散りばめられたものから、ごくシンプルなプラチナリングまで幅広く取り揃えられていた。

(値段は青天井ってこと?)

 たかが指輪と侮ったのが、そもそもの間違いだった。

「どうした?」
「ほ、本当にどれでもいいんですか……?」
「さっさと選べ」

 背後に立つ祐飛が早く決めろと、プレッシャーをかけてくる。
 指輪選びを一任され、困った雛未は店員に助けを求めた。いくつか試着を行い、最終的に一番人気だというダイヤモンドがひと粒だけリングの外側に埋めこまれた指輪を選んだ。
 見た目はシンプルだが、これでも真ん中くらいの価格帯だ。
 店員からは記念になるからと、文字の刻印をすすめられたが、丁重にお断りした。
 二人の間には共有するような思い出はないし、入籍日にあたる今日という日にも、なんの思い入れもない。
 サイズだけ見繕ってもらい、そのまま指に嵌めて持ち帰ることにした。

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