名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】

 異変が起こったのは、メインディッシュの皿が下げられ、デザートプレートを待つ間のことだった。
 
「祐飛くん?」

 突如、祐飛の名前が読み上げられ、等間隔に並べられているテーブルの二列先の通路から、女性がやって来た。

「やっぱり。祐飛くんだわ」
純華(すみか)……」

 女性と目があった祐飛は、彼女の名前をそっと呟いた。
 純華と呼ばれた女性は、春らしいレモングリーンのミモレ丈のシフォンワンピースを着ていた。
 クリっとしたハムスターのようなつぶらな目と、桜色の唇が愛らしく、些細な仕草ひとつひとつに品があった。

(ひじり)くん、大変よ。祐飛くんがいるわ」

 純華が声を掛けると、雛未と祐飛のいるテーブルに、もうひとり男性がやって来る。
 
「珍しいな、お前がここで食事をしているなんて!」
「聖もいるのか」

 祐飛から邪険に扱われた聖はチラリと雛未の顔を見ると、極上の笑みをたたえた。
 清々しい爽やかな甘い微笑みは、誰しもが魅了されることだろう。祐飛とはタイプが違う美丈夫だ。

「なあ、祐飛。こちらの女性は?」
「自分達の紹介が先だろ」

 祐飛の指摘に納得したのか、二人は身を寄せあい、自分達の名前を述べ始めた。

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