名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】
「初めまして、若狭純華です」
「俺は若狭聖。祐飛の悪友さ。俺達三人はベリが丘で育った幼馴染なんだ」
雛未は驚きで目を見開いた。
二人とも今、『若狭』と言わなかったか?
雛未は二人の顔を改めて眺めた。
どこかで見覚えがあると思ったら、雛未は彼らと祐飛が中庭で話しているところに遭遇していた。
つまり、この二人は若狭議員の身内なのだ。
「えっと……」
何と答えればいいのかわからず、雛未は視線を彷徨わせた。すると、祐飛が助け舟を出してくれた。
「彼女は、俺の妻だ」
「あま……不破雛未です。初めまして」
椅子から立ち上がり軽く会釈をすると、二人とも返事を忘れ茫然としていた。
幼馴染だという彼らにも、祐飛の結婚は寝耳に水だったに違いない。
「まさか……冗談だろう?」
「冗談でこんなこと言うかよ」
平然と言い返す祐飛と異なり、聖は呆気に取られしばし無言になった。しかし、やがて全てを飲み込み、ゆっくり頷いた。
「……わかった。詳しい話は今度聞く。これ以上、お邪魔しても悪いからな。帰るよ、純華」
「え?」
聖はまだ衝撃から立ち直れていない純華を連れ、雛未達のテーブルを後にした。
二人の姿が見えなくなると、雛未はすぐさま祐飛に尋ねた。