名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】
(妹がいたらこんな感じなのかな……)
もらったメモを制服の胸ポケットに入れながら、雛未はしみじみと思った。
いけないとわかっていながら、ありえない想像が膨らんでしまう。
雛未と純華が姉妹として手を取り合う世界線は今のところ見つかっていない。
これからも見つかることはないだろう。
雛未は純華に自分の素性を明かすつもりはさらさらなかった。
若狭議員には家庭がある。美しく賢い妻、清廉で素直なひとり娘。絵に描いたような素敵な家族だ。
彼らの幸せを壊すことだけは、あってはならない。
若狭議員が目覚めたら、彼に手紙のことを話して、真実を解き明かす。
それが終わったら……。
(あれ……?)
雛未は重要なことに気がついた。
本来なら最初に決めておくべき、離婚の条件を決めていない。
あの時は時間がなかったことに加え、病院で働くことに気を取られていたせいで、すっかり頭から抜け落ちていた。
用が済んだら地元に帰るつもりでいたが、既に二ヶ月以上もこの地に滞在している。
(私はいつまで祐飛さんの名ばかり妻をやればいいんだろう?)