名ばかりの妻なのに、孤高の脳外科医の最愛に捕まりました~契約婚の旦那様に甘く独占されています~【極甘婚シリーズ】
「手先が器用なのね!売り物みたい!」
雛未はクッキーを可愛くデコレーションされたアイシングクッキーをまじまじと眺めた。
ハートのクッキーにピンク色のアイシング。その上にはクッションに寝転がる可愛らしい猫と犬が描かれていた。
純華の作ったクッキーはプロ顔負けの出来映えだった。お店で買ったものを並べたと言われても信じてしまう。
「お茶淹れますね!」
雛未に褒められると、純華は嬉しそうに声を弾ませながら紅茶の支度を始めた。
手伝おうと手を伸ばそうものなら、笑顔でワゴンを遠ざけられる。
雛未は仕方なく曲線美が見事な猫脚のチェアに大人しく着席した。
純華手ずから淹れた紅茶がカップに注がれると、ふわんと湯気が立った。
「どうぞ」
「ありがとう」
フルーツと小花の柄に金彩が施されたカップとソーサーがテーブルに置かれると、雛未は取手を持ちカップの縁に口をつけた。
「美味しい……」
ひと口飲んだだけで品の良い爽やかな香りが鼻を抜けた。
渋みが少なく癖がなくて、飲みやすい。
茶葉の良し悪しはわからなかったが、きっと高いものなのだろう。
純華は満足げに微笑んだ。