まどろみ3秒前

木製のベンチに腰を下ろす。


崩壊しそうな建物が好きなのかもしれない。

このベンチも、あの、橋も。


「っはぁ…」


ため息をして、私はひとり空を見上げる。

木々との木漏れ日が綺麗だった。木の枝と雨上がりの青い空が、一枚の絵を描いていた。

写真を撮りたかったけど、そんなの撮って何になるのかわからず、やめた。


もう、何も考えたくない。

ああ、なんだか眠たいな。


うとうとして静かに目を瞑る。別に見られてバカにされたりもしない。どうせ、ここには誰も来ないから。それがいい。


鳥の声、笑い合う女子の声、遠くで犬の吠える声も聞こえる。飛行機が空を横切り、飛行機雲が見えた。


明日は、雨なのかな。

この青空を見ていると、ここで、3日4日眠っても別にいいか、なんて思えてきてしまう。

時間なんて、すぐに過ぎる。辛いことも苦しいことも、眠れば、全部なくなる。

これで、私は、このまま何年でも眠ればいい。


鼻の奥がツンとする。痛くて、痛い…

ポタッと感触がして見ると、膝に置いた手の甲には、水滴が落ちていた。

泣こうとしているわけでもないし、どんなことも、どうでもいいを言い聞かせてるのに。

どうして、泣いちゃうんだろう。

泣く理由が、全くわからない。自分のことなのに、どうしてこんなにわからないことが多過ぎるんだろう。ほんと、バカみたい。


怖くて怖くて、辛くて、苦しくなんか全然ないのに…やめてよ…

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