まどろみ3秒前
クローバーの葉についた、雨粒が煌めいている。昨日の大雨にも負けず、湿った土という環境の中精一杯に咲いているように見えて、なんだかすごいと思った。
なんで、三葉は雑草として生きて四葉は大切にされるんだろう。三葉だってこんなに綺麗なクローバーなのにな。可哀想。
「…私、もう戻ります。サボって怒られたくもないし、皆の視線も怖いんで」
ほんとは、視線なんかどうだっていい。
立ち上がろうとしたときだった。
その時、恐れていた最悪の事態が起きた。
ぐううう…
お腹から、悪魔のような唸り声が聞こえる。
「っうじゃあ戻りますんでさよならわざわざ不法侵入してまで来てくれてありがとうござますねお幸せにさようならぁー」
ささっと校舎に戻る道を急ぐ。
最悪だ、こんな時にお腹鳴るとか、体は何も考えてないし運が悪い。
あの人はもう、これからの人生で一生死ぬまで会うことなんてない人だ。
死んでからも会わないかもしれない。だって、彼の夢は聞いたんだし。
何ももう、起きてほしくない。考えたくない。普通の雨じゃない空が、見たい。
「待って」
なんで、私は止まってしまうんだろう。
操られてるみたいに、足が止まった。