まどろみ3秒前
―ポツ、ポツ…
屋根に落ちる雨の音は、段々と小さくなっていった。雨が止んできたようだ。公園には、大きな水溜まりがあちらこちらにある。水面には、薄暗く分厚い雲が映っていた。
「雨が降り始めたのは、今日の朝からですよ。そんな心配しなくても」
あれから、どれだけ時間が経ったのだろう。私は考えようともしなかった。公園に設置された時計を見るが、もう3時にもなっていた。
彼は軽々とした口調で、「あ、微妙なんで敬語やめてもいいっすか?」なんて言う。私は無言でこくりと頷いた。確かに微妙なところはあったな、なんて思う。同じ年らしいし。
「…翠さん?大丈夫?」
はっと隣を見やると、心配そうにこちらを覗き込んでいる朝くんがいた。私は慌てて笑顔を張り付けて首を横に振る。
「なにも!大丈夫」
「まあ、4日間も寝たんだし。ちょっと具合悪いのあったりは」
「いや!全然何も」
4日間も寝たんだし、と軽々と言ってくれるのは珍しいが、逆に優しい助けでもあった。
心配してくれるが、私は、具合が悪いわけではない。ただ、好きだと言ってくれた、朝くんのさっきのことを、ぼんやりと考えているだけである。抱きつかれた、という衝撃がすごすぎて、まだ受け入れられていない。
どうでもよかった。なのに、どうでもよく、なかったから…