まどろみ3秒前
「なんか、言いたいことある顔してるけど」
私の顔を見て、彼は言った。どんな顔だ、と思ったけど、思わず目をそらしてしまった。迷った視線は末に下を向いた。
「その、…間違いだったらごめんなさい。あなたは、私を抱き締めてくれるほど、愛してくれてるん、ですか?もしかして…いや…」
何を自分で言っているのだろう。私は、なんて醜くて情けなくて恥ずかしい奴なんだ。
「…聞こえてなかった?」
顔を上げると、目をぱちぱちさせていた。
「俺、抱きしめて好きって言ったんだけど」
当然のように、そして少し圧のようなものが加わり無表情に彼は言う。何か返事を、と思ったけど、口からは何も言葉が出なかった。
「俺は翠さんのことが、好きなの」
私に愛を伝えてくれるとき、いつだって彼の目の奥には、光がない。
「何でもいい。顔とか、性格とか。俺はただ、あなたと崩壊したいと思っただけ」
ああ、という言葉が自然と出た。
そっか、そうだった。朝くんは、そういう人だった。4日前の彼のことを、思い出した。
「笑ってばっかりで、全部どうでもいいっていう翠さんが、好きだから」
彼は、本当に、おかしい人だった。でも、でも、私にしたら、太陽みたいな人。