君は優しい嘘つき
「っと。もうこんな時間か」
「そうだね」
「つかテスト勉強してねぇんだよなぁ。いい加減しないとなぁ。……しなくてもイケるかな」
「どうだろ。私も全然やってないや」
「まぁ雫はもともとそんなにバカじゃないから大丈夫だろ」
「うーん。でも頑張らないと。勉強も、恋も」
「そうだな。俺も頑張んねぇとなぁ。……恋も?」
えっ!?とこちらを向いた歩をベンチに残し、スタスタと一本道を早足で歩く。
「恋!? 恋ってなんだよ! 雫、好きな人いるのか!?」
慌てた足音が追いついて、隣に並ぶ。
「え、まじで好きな人いるの?」
「うん」
「まじ? え、誰?」
「知りたいの?」
「めっっちゃ知りたい」
さっきまでとまるで違う歩の態度に、もしかしてという期待が膨れ上がる。