~best friend~ふたりで図る距離(こい)の行方。
「なんでも,ない」
また隣に並ぶ。
言葉を失ったままほのんの話を聞いて,その日がいつのまにか終わっていた。
ほのんが,好き。
ほのんじゃなきゃ,だめなんだ……
その日の夜,俺は夢を見た。
デジャブを感じる,実際にあった出来事の夢。
今日の俺とほのんの立場が逆になって,何かをいいかけたほのんが取り止める。
あれは,いつだったっけ。
たぶん,彼女と付き合い初めて,数日がたった時。
ほのんが突然帰る足を止めて,真剣な顔で俺を呼んだ。
『好き』
あの時ほのんが何でもないと隠した言葉が,そうだったらいいと思ったせいか。
夢の中では,やけにはっきりと聞こえた。
恋愛に興味がないわけなんてない。
でもほのんのそれをつついたのは,きっと俺だ。
彼女なんて作らなければ良かったと,元カノにも失礼な,最低なことを考えた。
ほのんはきっと,これからもっと離れていく。
そう弱気になればなるほど,それは現実になった。