この結婚には愛しかない
「あれを迎え入れたのは、神田さんがホールディングスに戻られた直後で、」
「うん、それで?」
深みのある甘く低い声。首筋に唇を押し当てられ、身体がビクッ、と震えてしまった。
「神田さんにもう会えないと思うと寂しくて...ウンベラータはハート型の葉っぱがかわいくて、大切に育てたら葉が大きくなってたくさん増えるって店員さんが教えてくれて」
「うん」
「植物って、話しかけたり愛情持って育てるのがいいって、ん、伊織さん、だめですくすぐったい」
着ているTシャツの裾から大きな手が侵入してきた。身をよじってもお構いなしだ。
「俺だと思って愛情を注いでくれたんだ」
「...はい」
買った時は20センチ程の背丈だった。元々成長速度が早い種類の植物だけど、今では80センチもあり、幹が太く、大きなハート型の葉が生い茂っている。
もうすぐ一回り大きい鉢に植え替えをしないといけないくらい大きくなった。
肥料を多く必要とする植物なので、生育期には切らさないように、やりすぎないようにした。
寒さに弱いので、冬場は枯らさないように対策をした。
水やりや葉水の時には、「神田さん」と声をかけていた。
大切に、大切に育ててきた。
「うん、それで?」
深みのある甘く低い声。首筋に唇を押し当てられ、身体がビクッ、と震えてしまった。
「神田さんにもう会えないと思うと寂しくて...ウンベラータはハート型の葉っぱがかわいくて、大切に育てたら葉が大きくなってたくさん増えるって店員さんが教えてくれて」
「うん」
「植物って、話しかけたり愛情持って育てるのがいいって、ん、伊織さん、だめですくすぐったい」
着ているTシャツの裾から大きな手が侵入してきた。身をよじってもお構いなしだ。
「俺だと思って愛情を注いでくれたんだ」
「...はい」
買った時は20センチ程の背丈だった。元々成長速度が早い種類の植物だけど、今では80センチもあり、幹が太く、大きなハート型の葉が生い茂っている。
もうすぐ一回り大きい鉢に植え替えをしないといけないくらい大きくなった。
肥料を多く必要とする植物なので、生育期には切らさないように、やりすぎないようにした。
寒さに弱いので、冬場は枯らさないように対策をした。
水やりや葉水の時には、「神田さん」と声をかけていた。
大切に、大切に育ててきた。