この結婚には愛しかない
シャワーを終えた伊織さんが、ベッドに腰掛けて炭酸水を飲みながらタブレットを触っていた。上半身裸で。

この後話あるからのぼせないでねと、シャワー中は思ったほどえっちなことはされなかった。(全くなしではなかったけど)


「伊織さん上着てください」

「昨日裸で寝ちゃった莉央に着せたから俺はいいかな」

「...意味がわかりません」

「ははっおいで」

伊織さんの隣に座ると「違うよ」と膝抱っこ。タブレットを持ったままの手で後ろから肩を抱かれ、シャワー後のやっと落ち着いてきた心臓が、また大騒ぎだ。


「早瀬コーポレーションって知ってるよね?」

「もちろんです。県内じゃ知らない人はいないかと。最近は結婚式場がすごく人気ですよ」

「へえ...今日そこの社長と意気投合したんだ」

「早瀬社長渋くてすごくかっこいいですよね。何かの経済誌のインタビュー記事で見たことあります」

「かっこいいか。確かにかっこよかったけど妬けちゃうな」


どうしよう伊織さんがかわいい。

コツんと頭を軽く当て、はあ、と耳元でため息が聞こえたかと思うと、伊織さんの手が突然腰をくすぐってくる。

「ヤッ!くすぐったいです!」


その息子さんの副社長もすごくかっこいいと言わなくてよかった。
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