この結婚には愛しかない
「マンション探しててここいいなと思ったら大抵早瀬だったから、それもあって今日の異業種交流会は楽しみだった」

「そうだったんですね。でもわかります。早瀬コーポのマンションって立地もいいところが多いし、お洒落だったり、やっぱり大手だからか安心できます」

「そうだね。それで会の後半ずっと早瀬社長と会話してたんだ。ほぼ仕事の話だったんだけど、俺あの社長ともっと話したい。全く違う業種だけどすごく勉強になったし、最近で1番有益な会食だったよ」

伊織さんがすごく楽しそうに話してくれるから、私まで楽しくなってくる。


「伊織さん」

「ん?」

「好きです」


伊織さんは少し驚いて、でもすぐ「俺もだよ」と微笑んでくれた。

「伊織さんの楽しそうなお顔を拝見してたら言いたくなっちゃいました。すみませんお話の途中で。続きを聞かせてください」

「まいったな。ここからが本題なのに誘惑に勝てるかな」


冗談とも本気とも取れる伊織さんの発言に、顔がすぐ触れる距離でくすくすと笑い合う。

でもいつまでも膝抱っこのままで体に力を入れ続けているのでそろそろ...

と、察した伊織さんがぐい、と肩を抱き寄せ離す気はないよと無言の圧をかけてきた。
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