この結婚には愛しかない
「店長同い年くらいかと思ってた」

「そうだよね。若く見えるよね。佐和...2人ともジレ着てるじゃない?神田さんみたいでドキドキしちゃう...」

本当だ。

神田さんはいつもスーツと揃いのジレを着ていた。

うちの会社は男女とも私服だ。スーツは役職者くらい。ただ、来客対応が多い莉央はよくスーツを着る。

そっか...スーツ見て、そんな気持ちになってたのか...

ごめん莉央。私何も気づいてあげられてなかった。神田さんを思い出して寂しくなってる?会いたい?今、何を思ってる?


「メッセージ送りなよ。これから男性2人と合コンだって。神田さん焦って電話かけてくるかもよ。恋の駆け引きだよ」

「...お疲れ様だけ送っていい?」

「ん、そうだね」

メッセージを送る莉央の横顔を見ていると、胸が締め付けられる。


一目惚れして、ふわふわ浮かれて、自分のことばっかりになってごめん。

莉央は嫌な顔ひとつせずに4人で食事行こうと提案してくれた。応援してくれた。私が誘えなかったら自分が誘うと言ってくれた。

今日だってカフェで2時間も待っていてくれた。中村さんからの突然の誘いを快諾してくれた。

私のために。


中村さんでも誰でもいいから、莉央を幸せにしてあげて欲しい。

ううん。違う。神田さんでなきゃ。


神田さん、本当は莉央のこと好きだったんでしょ?


今も莉央を想ってるなら迎えに来てよ。

それが出来ないなら、連れ去ってよ。

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