この結婚には愛しかない
「誤解されたままは嫌だなと思ってた。ゴミを見るような目ってこれかって思った」

「ちがっ、そんなことないって!」

「いーや。あの時の“は?”は背筋凍ったよ」

「だってかっこいいと思った人が、ナンパしてくるような軽いヤツでショックだったんだ。あの時は態度悪くてごめん」

さすがに一目惚れとは言えず、かっこいいに留めた。


「湊さん、佐和はいつも友だち思いで優しくて、困ってる人をほっとけなくて、今みたいに面白いんですよ」

「りおりお好き」

「俺も好き。りおりお」

「「中村」」

湊とハモって、湊のビールグラスとピーチウーロンで乾杯だ。


「2人はどんな関係?」

中村くんに聞かれて、莉央の腕に自分の腕を絡ませる。

「大親友だよね」

「うん」

莉央もぎゅっと返してくれて体をくっつけてくる。可愛すぎんか。


「もうひとつの肩書きは会社の同僚。でも私たち中途だからまだ3年目だよね」

社名を言うと、へえ大手だ。と帰ってくる。大抵いつもこんな感じ。

「前の仕事は何してたの?」

「私は通訳。莉央は銀行」

中村くんの質問には私が答えた。なんとなく莉央は言いたくないかなって。余計なお世話だったらごめん。
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