この結婚には愛しかない
「公園にテントはって野宿しようとした外国人が、警察に怒られてたけど日本語通じなくて困ってたから、見かねて間入ったやつだ!」

あれを見られてたんだ。

困ってる人を見たら、いてもたってもいられなくなるお節介な性格が湊の目に止まってたか。恥ずかしいな。


「俺も含め、英語しゃべれないからみんな傍観してたのに、佐和迷いなく近寄って行ってかっこよかった。ね?ナンパじゃないって証明できた」

「うん。先週はほんと、態度悪くてごめん」

「いいって。謝らないでよ。でもあの反応は佐和がナンパについて行かない子だからだよね」

嬉しい!優しい!スマート!好き!ちょっとトイレ!



御手洗から戻ると、楽しかったはずの空間がやたら暗くて。

部屋間違えたかと思った。


「佐和」と湊がおいでおいでと小さく手招きしてくれる。

「中村お前あっちいって莉央ちゃんと語れよ」

「あ、そうっすね」とテンション低めに私が座っていた席に、チューハイを持って移動した。


「どうしたの?」

「中村が失恋話始めたら、莉央ちゃん感情移入したのか、泣きそうな顔して話聞いてあげてる。ちなみにあいつ酔うと毎回その話」

「そうなの?」

目の前で語り合う2人を見て、耳を凝らして会話を聞く。
< 253 / 348 >

この作品をシェア

pagetop