この結婚には愛しかない
「彼女と4年くらい同棲してたんだけど、ある日家帰ったら彼女のものだけが全てなくなってた。連絡つかない置き手紙のひとつもない。あの時のショックは忘れられない。目から入ってくる情報で状況は分かるけど、脳が理解しようとしないというか...」
「え?」と思わず声が漏れた私に、湊が「さすがにあいつ、可哀想で見てられなかった」と声のボリュームを落として耳打ちしてくれる。
近くて、いい匂いがして、ドキドキするけど中村くんがかわいそうでそれどころじゃない。
うんうん、と聞いていた莉央も、いつの間にか神田さんのことを語りだしていた。
莉央がほぼ初対面の中村くんに自分のこと話すなんて驚きだ。ある程度無関係な人だから、吐露できたのかもしれない。
「中村はもっと底抜けに明るいヤツだった。まあ歳とって落ち着いたのもあるかもしれないけど」
「そっか...ねえ湊聞いて欲しい。莉央は東京にいる元上司を想ってるんだけど、仲のいい同僚が莉央を好きで。でも莉央はそれに気づいてない。私はどっちも応援したいしどっちも幸せになって欲しい。でもできなくて...中立って公平なようで残酷なのかな」
「俺だったら話聞くくらいしかできないな。部外者の俺の発言のせいで誰かが傷付くとなると、動けない」
「そうだよね...ありがとう聞いてくれて。時々切なくなるんだよね」
「莉央ちゃんの言う通り、佐和は友達思いだね」
「湊もね」
「中村は友だちじゃないから」
「弟?」
「うわ、ヤダなそれ」
話し込む2人を前に、湊と笑った。
「え?」と思わず声が漏れた私に、湊が「さすがにあいつ、可哀想で見てられなかった」と声のボリュームを落として耳打ちしてくれる。
近くて、いい匂いがして、ドキドキするけど中村くんがかわいそうでそれどころじゃない。
うんうん、と聞いていた莉央も、いつの間にか神田さんのことを語りだしていた。
莉央がほぼ初対面の中村くんに自分のこと話すなんて驚きだ。ある程度無関係な人だから、吐露できたのかもしれない。
「中村はもっと底抜けに明るいヤツだった。まあ歳とって落ち着いたのもあるかもしれないけど」
「そっか...ねえ湊聞いて欲しい。莉央は東京にいる元上司を想ってるんだけど、仲のいい同僚が莉央を好きで。でも莉央はそれに気づいてない。私はどっちも応援したいしどっちも幸せになって欲しい。でもできなくて...中立って公平なようで残酷なのかな」
「俺だったら話聞くくらいしかできないな。部外者の俺の発言のせいで誰かが傷付くとなると、動けない」
「そうだよね...ありがとう聞いてくれて。時々切なくなるんだよね」
「莉央ちゃんの言う通り、佐和は友達思いだね」
「湊もね」
「中村は友だちじゃないから」
「弟?」
「うわ、ヤダなそれ」
話し込む2人を前に、湊と笑った。