この結婚には愛しかない
「あんたはどうなのよ」


長谷川くんは私に莉央を好きなことがバレてると分かったら、私に対しては一切気持ちを隠さなくなった。

「明日映画デートです」

「ああ、明日なんだ」

「昼前に車で家まで迎え行って、女子受けの良さそうなカフェでメシ食って、映画見て街ふらついて晩メシはイタリアン。城のライトアップ見に行って、送って行って...帰したくない。ホテル誘いたい」

「うん最後のはやめとけ。でもガチめのデートですやん。莉央好きそう」

「まじ?初めて休みの日に2人で会えるから嬉しくて、小泉さんどんなの好きかなって考えた」

嬉しそうな、でもどこか悲しそうな表情に、言葉が詰まる。


「好きって気持ちがついポロッと口から出そうになるけど、今はまだ早いっていうか。小泉さん好きな人いるのかな」

「...本人に聞けば?」

「聞けたら聞いてますよ。どうしても踏み込めない一線があるんすよね」

「分かる。私も初めはそうだった」

「宮内さんでさえ?なんかきっかけがあれば聞けるんすけどね」

「...まあがんばれ」

「他人事っすか」


違うよ。長谷川くんのこと、他人だけど他人とは思ってない。だから何も言えないんだよ。

ねえ湊。部外者の私は、こうやって話聞くだけでいいよね?


でも私こんな性格だから、ガマンできなくなったり、お酒入っちゃうと言っちゃうかもだけど。
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