この結婚には愛しかない
「ごめん小泉さん」


頭上から神田さん...専務の声。ポンポンと背中を2回タップされ顔を上げた。

「このままずっとハグしてたいけど、もうすぐ社長と常務2人と会食なんだ」

「す、すみません私いつまでも、その、」

「ははっ、顔真っ赤」

「(...っ!)」


もうちょっとだけあっちで話そっか。と背中にそっと手を触れソファに誘導してくださる。

恥ずかしい!

勢いまかせにハグ(という名の抱きつき)してしまったこととか、大火事の顔とか、恥ずかしすぎる。


私が入社した時、この会社の専務は空席だったため、専務室に入るのは初めてだった。

開放感のある大きな窓。黒と白を基調としたモダンな広い部屋。大きなデスクの上にはデスクトップパソコンとモニター3つ。

高級感のある応接セット。白いセンターテーブルを挟んで、1人掛けのソファー2つと4、5人は座れそうな大きなソファー。

壁掛の大型モニターもある。

促されるまま大きなソファーに座ると、そのまま神田専務が隣に腰を下ろした。
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