この結婚には愛しかない
「分析は長谷川くん?だっけ。短期間だったのにあそこまで細かく仕上げてて驚いた」

「はい。彼が猛スピードでミスなく分析していくので、私はそれをスライドにしただけです」

「彼が小泉さんのメッセージによく出てくる長谷川くん?いつだったかな、数字の異能の持ち主って書いてたよね」

「そうです。プライベートでも遊びに行ったり、佐和...宮内さんとよく3人で飲んでます」

「そう。近々長谷川くんにも挨拶したいね」

「そんな、向こうからご挨拶に伺わせます」


と、神田専務がご自分の腕時計で時刻を確認された。

「それでは私は」

立ち上がると「ちょっと待って」と神田専務も立ち上がりデスクの方に歩いていく。

広い肩幅と引き締まったウエスト、長い手足。後ろ姿にさえ見惚れてしまう。


「甘いもの好きだったよね。小泉さんのしか用意してないからこっそり食べてね」

戻ってきた神田専務が渡してくださったのは、SNSでよく目にする、オシャレなパッケージの焼き菓子で。たしか東京にしか売ってない。


「ありがとうございます!すみませんお気遣いいただいて」

「小泉さんのその笑顔が見たかっただけだよ」


それから、またゆっくり話したいねと言ってくださった。
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