この結婚には愛しかない
*
記録的に降水量の少なかった梅雨が明ける直前の、珍しくまとまった雨が降り続く夜だった。
【部屋に1人でいるからコーヒーお願いできないかな?】
神田専務から社用スマホに電話でそう依頼があったのは初めてで。
神田専務のスケジュール管理を任されて以来、過密すぎるスケジュールが心配で心配で、頼むから休んで欲しいと度々進言していた。
にも関わらず、分刻みのスケジュールでこなす会議と来客応対、オンライン商談。ひっきりなしにかかってくる電話。連日の関係各所との会食。合間に国内外の出張。
ビジョン10は完成間近。ホールディングスからの独立日も決定し、新たな出発は目前に迫っている。
「長谷川くん。専務にコーヒーお出ししてくる。私ちょうどキリがいい所だったからそのまま帰るね。長谷川くんもキリのいいところで帰ってね」
「あー...分かりました。お疲れ様です」
「お疲れ様。また明日」
何か言いたそうにした長谷川くんだけど、再びノートパソコンに向かった。
記録的に降水量の少なかった梅雨が明ける直前の、珍しくまとまった雨が降り続く夜だった。
【部屋に1人でいるからコーヒーお願いできないかな?】
神田専務から社用スマホに電話でそう依頼があったのは初めてで。
神田専務のスケジュール管理を任されて以来、過密すぎるスケジュールが心配で心配で、頼むから休んで欲しいと度々進言していた。
にも関わらず、分刻みのスケジュールでこなす会議と来客応対、オンライン商談。ひっきりなしにかかってくる電話。連日の関係各所との会食。合間に国内外の出張。
ビジョン10は完成間近。ホールディングスからの独立日も決定し、新たな出発は目前に迫っている。
「長谷川くん。専務にコーヒーお出ししてくる。私ちょうどキリがいい所だったからそのまま帰るね。長谷川くんもキリのいいところで帰ってね」
「あー...分かりました。お疲れ様です」
「お疲れ様。また明日」
何か言いたそうにした長谷川くんだけど、再びノートパソコンに向かった。