この結婚には愛しかない
「絶対食事行こう。時間作って誘うね」

「はい!楽しみです。よろしくお願いします」


笑顔の神田専務が私の目を見つめる。仕事終わりのこの時間のこの距離。メイク絶対よれてる!神田専務のお顔が見れない!

本当はこんなレアなチャンス逃したくないんだけど。


「もたれかかっていい?」

「はい、え?」

神田専務が私に寄りかかったかと思うと、そのまま私の肩に頭をあずけられた。

「ごめんね、ちょっとだけこうさせて」

「...はい、ずっとしていただいてかまいません」

「ははっ。ありがとう。今電話を1件待ってるから、それまで話しない?」

「はい!」


普段あんなに凛としたお姿でリーダーシップを発揮され、会社を引っ張ってくださっている専務の甘える仕草。

胸の鼓動はドクドクと大きく速い。でもその反面、労いたい。癒してあげたい。抱きしめてあげたい。そんな思いが強すぎて、躊躇なく専務の頭を撫でてしまった。


「頭撫でられるのって気持ちいいね」

そう言ってくださったので、手をとめなかった。
< 49 / 348 >

この作品をシェア

pagetop