この結婚には愛しかない
「神田専務...ちゃんと休まれてますか?」

「今はあまり休息とれてないかな。でも俺体丈夫だから。とは言っても、こっちには友人がいないこともストレスかな。酒飲んでくだらない話したい」


生まれも育ちも関東の神田専務。こっちにいたのは3年前の1年間のみ。確かに、仕事の人脈が広がっても、プライベートは難しいかもしれない。

「神田専務にご飯作って差し上げたいです。肉じゃがとか煮物とか、リクエストいただいたらなんでも作ります」

「いいね。小泉さんの手料理食べたいな」

「食事はまたにして、ぜひうちに来ていただけませんか?専務に食べていただけるならめちゃくちゃ張り切ります!でも私の部屋は神田専務からしたら犬小屋くらいの広さかも...」

「なわけないよね。外観は普通のマンションだったでしょ。まだ同じところ住んでるの?」

「はい。同じマンションです」


神田“室長”時代に1度だけ、家まで送っていただいたことがある。

それは休日を2人きりで過ごした、最初で最後の日だった。
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