この結婚には愛しかない
「うんごめんね」

「さっきの電話宮内さんです。彼氏さんといるらしいんですけど、近くだからすぐ来るって」

「佐和が?」

「だって小泉さん、今宮内さんに会いたいでしょ?いっぱい話聞いてもらってください。それと、俺と2人きりだと気まずいでしょ」


長谷川くんは、私が神田さんと会ってたことを知ってる。それなのに、今の私の状況を何も詮索しないどころか、佐和を呼んでくれた。


長谷川くんの優しさに、また涙が出てきた。


「宮内さんの彼氏さんの車で家まで送ってもらいましょうよ。小泉さんギャン泣きだから電車乗れないでしょ」

「...もう平気」

「うわ、その泣き笑うのやめてもらえません?小泉さんそろそろ自分のかわいさ自覚しましょうよ。今すぐラブホ連れ込みたい」

「長谷川くんありがとう。わざとそんなこと言って笑わせてくれて」

「恥ずいからガチで返すのやめてくださいよ。そこは『長谷川くん最低』でいいですから」

「ありがとう」


いや恥ずいって。と同じ傘の下でそっぽを向いた長谷川くんと、無言で駅まで歩いた。
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