この結婚には愛しかない
『プロポーズなんて言われたの?あ、待ってやっぱりいい。2人だけの大切な思い出にして!はーヤバい』

佐和のこういうところが大好き。ずいっと懐に入ってくるのが上手いのに、肝心なところは引いてくれる。


「それでね、今朝お母さんに電話して、明日の午前中実家行くことになった。婚姻届の保証人にサインしてもらう」

母とはすごく仲が良くて、毎日のようにメッセージのやりとりをしている。もちろん前職の出来事も、大好きな伊織さんのことも話している。

だから電話で伊織さんと一緒に結婚の挨拶に行きたいと言ったら、すごく喜んでくれた。途中伊織さんに変わったら、母がテンパってて笑った。


『はーヤバ。新幹線?』

「新幹線。車だと隣の県だから2時間くらいかかるから。伊織さんはドライブしたがってたけど、明日は指輪見に行ったり、伊織さん今車なくて、明日は車も買いに行くから」

『結婚指輪?ヤバいヤバい、ヤバいしか出てこん語彙力低下。スパダリ伊織王子は高級車も白馬も似合いそう』

「伊織さんはなんでも似合うからね」

『昔からブレない莉央の神田さん推し。ねえ入籍いつ?』

「明日」


エンダー!!と電話の向こうで佐和が歌い出した。
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