あなたの子ですよ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~
そんな衝撃的な出来事が起こってから、穏やかに月日が流れている。
相変わらず、見ていて飽きない夫婦である。ウリヤナの腹部はそれほど目立たないが、確実に新しい命を育んでいる。そんな彼女に寄り添っているのがレナートである。
間違いなくレナートはウリヤナを好いているし、ウリヤナもレナートに好意を寄せている。だけど、出会ったきっかけがきっかけなだけに、お互いが遠慮しているようにも見える。
「お前。何、さっきからニヤニヤしているんだ。それにいつも俺の近くにいすぎだ」
「私は、レナート様付きの従者ですから。特に暇を出されない限りはいつでもお側におりますし。それに、ニヤニヤしているつもりなどありません」
「わかった。お前、アンナと一緒に休憩でもしていろ」
アンナとはウリヤナ付きの侍女である。ウリヤナがこの屋敷にやって来たときに、年の近いアンナをつけた。
「奥様?」
アンナは健気にウリヤナに確認をしている。
「レナート様もそうおっしゃっていることですし、あなたたちは下がっていいわよ」
ウリヤナはにっこりと優しい笑顔を向ける。つられてロイも目尻を下げると、レナートに睨まれた。
「アンナ、いきましょう。これ以上、お二人の時間を邪魔すると、私はレナート様の魔法で黒焦げにされそうです」
「奥様。隣に控えておりますので、何かありましたらお呼びください」
「ロイ。今日は天気がいい。アンナを東屋にでも連れて、そこでお茶でも飲んでこい」
まるで臣下を気遣うような言葉に聞こえるが、とにかく二人きりにさせろ、というレナートの思惑をひしひしと感じ取った。
相変わらず、見ていて飽きない夫婦である。ウリヤナの腹部はそれほど目立たないが、確実に新しい命を育んでいる。そんな彼女に寄り添っているのがレナートである。
間違いなくレナートはウリヤナを好いているし、ウリヤナもレナートに好意を寄せている。だけど、出会ったきっかけがきっかけなだけに、お互いが遠慮しているようにも見える。
「お前。何、さっきからニヤニヤしているんだ。それにいつも俺の近くにいすぎだ」
「私は、レナート様付きの従者ですから。特に暇を出されない限りはいつでもお側におりますし。それに、ニヤニヤしているつもりなどありません」
「わかった。お前、アンナと一緒に休憩でもしていろ」
アンナとはウリヤナ付きの侍女である。ウリヤナがこの屋敷にやって来たときに、年の近いアンナをつけた。
「奥様?」
アンナは健気にウリヤナに確認をしている。
「レナート様もそうおっしゃっていることですし、あなたたちは下がっていいわよ」
ウリヤナはにっこりと優しい笑顔を向ける。つられてロイも目尻を下げると、レナートに睨まれた。
「アンナ、いきましょう。これ以上、お二人の時間を邪魔すると、私はレナート様の魔法で黒焦げにされそうです」
「奥様。隣に控えておりますので、何かありましたらお呼びください」
「ロイ。今日は天気がいい。アンナを東屋にでも連れて、そこでお茶でも飲んでこい」
まるで臣下を気遣うような言葉に聞こえるが、とにかく二人きりにさせろ、というレナートの思惑をひしひしと感じ取った。