あなたの子ですよ~王太子に捨てられた聖女は、彼の子を産んだ~
レナートはこれから、ウリヤナの子に魔力を注ぐつもりなのだろう。いつもはその場に、ロイかアンナも立ち会っていた。だけどなぜか、今日のレナートはそれを拒んでいる。
「レナート様のお心遣い、ありがたくちょうだいいたします」
とにかく、今すぐにでもこの部屋から出たほうがいい。あまりにレナートにかまいすぎると、本当に消し炭のようにされてしまう。
頭を下げてから、部屋を出る。部屋を出たところで、立ち止まる。
「アンナ、どうしますか? 本当に外にいきますか?」
「ええと。下の休憩室に行こうかなと思っていましたが、ロイさんは外に行きたかったのでしょうか?」
「いえ。ただレナート様がああおっしゃったので、気になっただけです。では、休憩室にいきましょう」
使用人たちの使う休憩室は地下にある。階段をおり休憩室に入ると、他にも何人かの使用人たちが部屋を使っていた。
「あらあら、アンナにロイさん。こちらに来られるなんて珍しい」
「旦那様に追い出されたんだな」
珍しい人が来たものだと、彼らはお茶やらお菓子やらを用意し始める。
彼らのお膳立てによって、ロイもアンナも、いつの間にか席についていた。
「ちょうどみんなに味をみてもらっていたんだ」
そう言って、料理人が見たことのないお菓子を出す。ケーキのようにも見えるが、ぷるぷるとふるえるゼリーのようにも見える。
「新作。最近、奥様の食欲が落ちているようだから。こういったものなら食べられるかなと思ってね」
「すごい。きらきらと光って、宝石みたいですね」
「レナート様のお心遣い、ありがたくちょうだいいたします」
とにかく、今すぐにでもこの部屋から出たほうがいい。あまりにレナートにかまいすぎると、本当に消し炭のようにされてしまう。
頭を下げてから、部屋を出る。部屋を出たところで、立ち止まる。
「アンナ、どうしますか? 本当に外にいきますか?」
「ええと。下の休憩室に行こうかなと思っていましたが、ロイさんは外に行きたかったのでしょうか?」
「いえ。ただレナート様がああおっしゃったので、気になっただけです。では、休憩室にいきましょう」
使用人たちの使う休憩室は地下にある。階段をおり休憩室に入ると、他にも何人かの使用人たちが部屋を使っていた。
「あらあら、アンナにロイさん。こちらに来られるなんて珍しい」
「旦那様に追い出されたんだな」
珍しい人が来たものだと、彼らはお茶やらお菓子やらを用意し始める。
彼らのお膳立てによって、ロイもアンナも、いつの間にか席についていた。
「ちょうどみんなに味をみてもらっていたんだ」
そう言って、料理人が見たことのないお菓子を出す。ケーキのようにも見えるが、ぷるぷるとふるえるゼリーのようにも見える。
「新作。最近、奥様の食欲が落ちているようだから。こういったものなら食べられるかなと思ってね」
「すごい。きらきらと光って、宝石みたいですね」