溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
ちなみに、教室の後ろに小さな給湯室がありそれぞれのティーセットが置かれている。


紫音はそこで赤リンゴをむいて、皮と芯、厳選された紅茶の茶葉を独自のバランスで配合する。


私の好みにも合わせてくれていて彼にしか出せないこだわりの味。


紫音の横顔をそっと見つめて小さくため息が漏れた。


紅茶をティーポットからカップへと注ぐ所作が綺麗でついつい見惚れてしまうの。


だけど……。


そんな私の執事を横からまじまじと観察してくる人の気配。


「紫音さんの色気、今日も大爆発してる。いろいろ妄想しちゃいそー」


「……」


危ないことを呟きながらスケッチブックに紫音の姿を描きだす女の子。


「晶ちゃん……」


「もう少しこっち向いて紫音さん。それとその上着脱いでくれるとありがたいな」
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