溺愛執事は貧乏お嬢様を守り抜く
『うわーん、痛いよ』
『あーあ』
擦りむいた膝小僧が痛くて、泣き叫ぶのはしょっちゅうで。
でもね、結局はいつも……。
『ううっ……』
『……』
しばらく待っても自力で起き上がれない私に声をかけてくれる。
『おーいわかば、大丈夫か?』
やれやれ仕方がないなって感じで、こっちへ走って戻ってくれる彼。
『ううっ、痛い』
『おまえ、ほんとに鈍臭いな。
お嬢様ってみんなこんなんなのかな』
『痛いよー』
『ほんっと泣き虫だな、若葉は』
なんと言われようと平気。
いつのまにか涙は止まっていた。
『ほら、つかまって』
だって、彼がとっても優しい男の子だって知ってるから。
いつものようにスッと伸ばされる手に、安堵する。
『わかばは、弱っちいな。
ほら泣きやめよ。怪我の手当てしてから家の中で遊んでやるから』
『あーあ』
擦りむいた膝小僧が痛くて、泣き叫ぶのはしょっちゅうで。
でもね、結局はいつも……。
『ううっ……』
『……』
しばらく待っても自力で起き上がれない私に声をかけてくれる。
『おーいわかば、大丈夫か?』
やれやれ仕方がないなって感じで、こっちへ走って戻ってくれる彼。
『ううっ、痛い』
『おまえ、ほんとに鈍臭いな。
お嬢様ってみんなこんなんなのかな』
『痛いよー』
『ほんっと泣き虫だな、若葉は』
なんと言われようと平気。
いつのまにか涙は止まっていた。
『ほら、つかまって』
だって、彼がとっても優しい男の子だって知ってるから。
いつものようにスッと伸ばされる手に、安堵する。
『わかばは、弱っちいな。
ほら泣きやめよ。怪我の手当てしてから家の中で遊んでやるから』