【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
藍くんの言うとおりだ。
こんなの迷惑でしかないことはわかってる。
でも、目の前にいるこの人に縋らずにはいられなかった。
わたしにとって藍くんは、一筋の光だった。
「だって……寂しくて。暗闇が怖い……。今日だけだから、お願い。お願いします……」
家に戻っても、頼れる家族なんていない。
この扉の先は空っぽの暗闇。
お母さんのことも襲われかけたことも、それらの傷が癒えない今日だけは独りになるのが怖かった。
うつむいていると、大きなため息が降ってきた。
「……今日だけな」