【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない

「なにされるかわかったうえで、俺のこと呼んだんだよな?」

「え……あ、それは……」


意地悪な囁きに、頭の中でサイレンが鳴る。


やっぱり藍くんと同じ部屋で寝るのは危険だったかも……!


藍くんが首を横に傾げた。

そしてわたしを見つめたままわずかに目を細める。

その眼差しはあまりに色っぽくて、発情していないはずなのに、一気に体温が上がる。


キス、される……。

唇に熱が迫る予感に、ぎゅうっと目をつむった時。

代わりに、鼻先をちょこんとつつかれた。


目を開ければ、藍くんがわたしを小馬鹿にするような笑みを唇に刻んでいた。


「触らない」

「え?」

「お前、俺に触れられるとすぐ発情しちゃうもんな?」

「だっ、ぁ、ぅう……」


一気にかぁぁあっと顔が熱くなる。


これじゃ、わたしがキスを期待していたみたい。

うう……、もてあそばれてる気がする……!
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