【完】クズな彼の危険すぎる偏愛から逃げられない
するとテーブルの上のチョコを口につまんだ瑛麻ちゃんが、ごくんとそれを飲み込むと、姿勢をぴんっと正して藍くんに向き直る。
「っていうか私のことなんてどうでもいいんです! それより藍先輩はゆるるんのこと、どう思ってるんですか?」
直球な質問に慌てたのは、藍くんの隣にいたわたしの方だった。
「え、瑛麻ちゃん……っ」
そんなこと訊いたら、藍くんが困っちゃう……!
藍くんにとっては、ただのおもちゃでしかないのだから。
――けれど。
「大切に思ってるよ」
わたしの思考を遮って隣から聞こえてきたその声に、心臓がどきんっと跳ね上がって動揺する。
だってあまりに慈しむように、心の声を実感するように言うから。