The previous night of the world revolution8~F.D.~
寒空の下、俺はルルシーと一緒に堂々と、帝国騎士団に出頭。

「こんにちはー。ルレイアが来ましたよー」

わざわざ俺を呼びつけたんだから、盛大な出迎えをしてもらえるんでしょうね?

すると。

「…来たか。ルレイア」

帝国騎士団長オルタンス、及び、副団長のルシェ。

それから三番隊のアドルファスと四番隊のルーシッド。

それに、五番隊のアストラエアまで、しかめっ面で待っていた。

へぇ。なかなか良いメンバーを揃えてるじゃないですか。

どうやら…珍しく大変なことが起きたみたいですね。

「お土産と嫌がらせを兼ねて、超絶激辛ロシアンたこ焼きを持ってきてあげましたよ。20個入りで1個だけ普通の味で、残り19個は激辛です」

「…普通逆だろ…」

え?ルルシー何か言いました?

「ありがとう。後で大事にいただく」

と言って、オルタンスは俺のお土産たこ焼きを受け取った。

「いただくのかよ…」

え?ルルシー何か言いました?

「…って、そんなことはどうでも良い。お前ら、ルレイアに一体何の用だ?」

「お前も一緒に来たのか。ルレイアだけ呼んだつもりだったんだがな」

ほらぁ。言われちゃってる。

「それは悪かったな。だが、ルレイア一人に背負わせるつもりはない。ルレイアに聞きたいことがあるなら、俺にも聞け」

ルルシー格好良い。

この際、人生ゲームでフリーターでも全然構わない。

「成程…。…だが、確かにルレイアの周囲にいる人物にも話を聞いた方が良いかもしれないな」

「無駄なことを。どうせ口裏を合わせているだろう。有益な情報が聞けるものか」

アストラエアが、吐き捨てるように言った。

何だと。

「ついさっき呼ばれたばっかりで急いで駆けつけたのに、口裏合わせる時間があると思ってるんですか」

「大体、俺もルレイアも、何でいきなり呼び出されたのかも分かってないんだぞ。言いがかりをつけるのはやめろ」

ほら。ルルシーもおこですよ。おこルルシー。

「…ふん。白々しいことを…」

…このアストラエアという男、脳天の髪の毛むしってやろうか。

すると、ルーシッドが。

「落ち着いてください…。どうか、ここは穏便に」

「そっちが喧嘩売ってきたんでしょうが」

こっちはハナから穏便に話を済ませようとしてるんですよ。

お土産まで持ってきたんだから。なぁ?

俺の誠実な態度に難癖をつけて、喧嘩を売りつけてきたのはそっちだ。

「その通りだ。済まないな…。来てもらって感謝する。早速聴取を始めるから、中に入ってくれ」

「…まさか、牢屋じゃないだろうな?」

「ただの取調室だ」 

「…」

ルルシーは、胡散臭そうにオルタンスを睨んでいたが。

「…ちっ、仕方ない。行くぞ、ルレイア」

「えぇ。行きましょう」

鬼が出るか蛇が出るか。

俺がここに呼ばれた理由、聞かせてもらおうじゃないですか。
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