The previous night of the world revolution8~F.D.~
「…」

「…」

「…」

俺達は、互いに無言で顔を見合わせた。

大変不味い状況である、というのは全員一致してるんですが。

…今は、時間の一分一秒に黄金の価値がありますね。

「…ルレイア。お前…」

心配そうな顔をしたルルシーが、口を開きかけたが…。

「…さて、気を取り直して人生ゲームの続きをしましょうか」

俺は、殊更に明るい口調でそう言った。

「…は?いや、人生ゲームって…そんなことしてる暇、」

ルルシー曰く、そんなことしてる暇。こそが。

今の俺達にとって、何より大切な時間なんですよ。

…もしかしたら、今後、人生ゲームも容易く出来なくなるかもしれませんからね。

「…そうだね。現状、私達に出来ることは少ない。あれこれ考えるより、まずは息抜きをして落ち着こうか」

「そ、そうね。慌てても仕方ないものね」

「それじゃ、こたつでみかんでも食べながら人生ゲームの続きをしよう」

「確かアイズ総長の番で止まってましたよね。ルーレットどうぞ」

「よーし。アリューシャがプータローで天下を取るところを見てろよ!」

仲間達は皆、そんな俺の虚勢に付き合ってくれた。

本当、あったかい仲間達ですよ。

こたつよりあったかいですね。

「…お前らな…」

ルルシーは、一人何か言いたそうに呆れてたけど。

「ほらほら、ルルシー座って。続き、やりましょう」

「…分かったよ、ったく…」

渋々、といった風に、ルルシーは座ってこたつに入った。

何だかんだ言いながら付き合ってくれるから、ルルシーのこと大好きですよ。
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