The previous night of the world revolution8~F.D.~
…何だろう。

俺、すっごく迷いながら、すっごく戸惑いながら打ち明けたつもりなんですけど。

「…本気ですか?ルルシー。ちゃんと俺の話、聞いてました?」

「聞いてるよ。聞いてるから答えたんだろ」

まぁそうなんですけど。

「コンビニ行くのに一緒に来てください、って言うのとは訳が違うんですよ?分かってます?」

「一緒だろ?コンビニだろうが帝国騎士団だろうが外国だろうが、お前がついてきてくれって言うなら何処でも行くよ」

嘘でしょ。めっちゃイケメンじゃないですか。

俺、割と一世一代の決心をして打ち明けたんだけどなぁ。

「…無理してません?嫌だったら、断っても良いんですよ」

「嘘つけ。断ったらお前、悲しむだろ」

「ま、まぁ…悲しいですけど、それとこれとは別の話でしょう。これは元々、俺が背負うべき問題でして…」

「お前が背負ってる問題なら、俺の問題でもある」

きっぱりと断言。

えぇぇ…。

「よく俺に相談したな。…何も言わずに勝手に出ていったら、もう二度と、一生、お前とは口利かないところだったよ」

「うぐっ…」

本当は、何も言わずに出ていくつもりだったんですよ。

だけど、それはあまりにも辛くて…寂しくて…耐えられなかったから。

だから打ち明けたんですけど、結果としては助かった。

ルルシーに口利いてもらえなくなったら…俺は寂しさのあまり死にますよ…。

「逃げるなら、一緒に逃げよう。何処でも良いよ、お前が隣にいるならそれで」

「ルルシー…」

…そう、言ってくれるのは嬉しいですけど、でも。

「分かってるんですか?本当に…。ただの海外旅行じゃないんですよ。指名手配されて、追われる身になるんですよ」

最悪、一生顔を晒して街を歩けない生活になるかもしれないのに。

きっと、たくさん不自由な思いをしますよ。

今持っている名声も地位も、全部失うことになるかもしれないんですよ。

そんな惨めな逃亡者となる覚悟が、本当にあるんですか。

でも、ルルシーは。

「分かってるよ、そのくらい」

「本当に…?」

「本当だ。どんなに惨めで不自由な生活だろうと、隣にお前がいるならそれで良い」

…ルルシー…。

「逆に、仮に王様みたいな暮らしを保証されたって、お前が隣にいないなら、そこは俺にとって地獄でしかない。ルレイア、俺はお前を選ぶよ」

「…良いんですか。後悔しませんか?」

「後悔なんてするはずがない。逆の立場だったら、お前だってそうするだろ」

…確かに。

今、凄まじい説得力を感じました。

立場が逆だったら、俺は喜んでルルシーと運命を共にするだろう。

…そう。ルルシーもそう思ってくれるんですね。

分かりました。じゃあ、俺も…覚悟を決めます。

向かう先が地獄だろうと奈落の底だろうと、二人で生きていく覚悟を。

「…そうですね。じゃあ、俺と一緒に来てください。俺といたら、不幸になるかもしれませんけど」

「馬鹿言え。お前が傍にいない方が、よっぽど不幸だ」

そうですか。

不思議ですね。状況は、何も変わっていないのに。

ルルシーが一緒にいてくれるというだけで、勇気と希望が湧いてくる。

何とかなりそうな気がしてきましたよ。
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