The previous night of the world revolution8~F.D.~
…あれ。

皆さん、いつからそこに…。

「…どうしたんです?そんなところで…」

もう帰ったとばかり思ってたのに。

「もしかして、俺とルルシーの会話、聞いてました?」

「ごめんね。実は聞いてた」

「これのお陰でな」

ルリシヤが、すちゃっ、と小さなスピーカーを取り出した。

…あれは、ルリシヤ印の小型盗聴器。

…さては。

「こたつの中にでも仕掛けてました?」

「ご名答だ」

…やっぱりー…。

やってくれるじゃないですか。さすがに昨日の今日で盗聴器を仕掛けられてるとは思いませんよ。

しかも、こたつの中になんて。

「もう…。意地の悪いことしますねぇ」

「ルリシヤを責めないで。指示したのは私なんだ。…ルレイアが、思い詰めてるような顔に見えたから」

と、アイズが言った。

成程。…気づかれてたんですね。

「でも…やっぱり、案の定だったね。帰らないで見張ってて良かった」

「…」

「…ルレイア…本当なの?」

「…シュノさん…」

シュノさんは、アイズの隣に立って、目にいっぱい涙を溜めていた。

「本当にいなくなるの?『青薔薇連合会』を出て行っちゃうつもりなの?」

シュノさんにそんな顔はさせたくない。

いいえ、何処にも行きません。…そう言ってあげられたら良かったんですが。

「…はい。そのつもりです」

「どうしてっ…!」

シュノさんは、堪え切れないといった風に俺の手を掴んだ。

「どうしてなのっ…?ルレイアは何も悪くないじゃない!」

「シュノさん…」

「何も悪くないのに、何で逃げなきゃいけないの?ルレイアが何をしたって言うのよ…!」

ぽろぽろと、シュノさんは涙を溢していた。

あぁ…泣かせちゃいましたね。また…。

「ごめんなさい…。泣かないでください、シュノさん…」

「ひっく…うぅ…ひっく…」

何とか宥めようとしたが、シュノさんは俺の腕をぎゅっと掴んだまま、泣き止んでくれなかった。

すると。

「…ルレイア師匠が考えてること、分かりますよ。自分がこのまま『青薔薇連合会』にいると、皆に迷惑をかける。…そうですよね」

ルーチェスは、何とも悲しそうな表情でそう言った。

「えぇ、そうです」

「…そんなことない、と否定出来ないのが悔しいですね。…実際、今のルレイア師匠の立場は非常に危うい。『青薔薇連合会』にとっても」

「だからってっ…!」

ルーチェスの率直な言葉に、シュノさんが憤った。

「だからルレイアを見捨てろって言うの?ルルシーも!家族を見捨てるなんて、私には出来ないわ!」

実にシュノさんらしい台詞だった。

俺達幹部仲間を、本気で家族だと思っているがこそ。

「ルレイアが出ていくって言うなら、私も行くわ!」

…えっ…。

シュノさんは、涙ながらにそう宣言した。
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