The previous night of the world revolution8~F.D.~
「ふぉぉ…。美味しい…」

「それは良かったです」

ティーカップに紅茶を注ぎ、ケーキをパックからお皿に移し替え。

二人で、夜食のケーキにぱくつく。

最高の気分ですね。

「ただのコンビニケーキでも、こうしてルーチェス君が紅茶と一緒に盛り付けてくれると、凄く贅沢に見えるねー」

「そうですか?」

「んー。美味しい、幸せ!」

それは良かった。

幸せそうにケーキを食べるセカイさんの顔を見れて、僕も幸せですよ。

疲れが癒やされますね。

「どう?ルーチェス君。甘いもの食べると元気出るでしょ?」

「えぇ。…とはいえ、僕はどっちかと言うと、セカイお姉ちゃんの可愛い顔を見たお陰で元気が出ました」

「え。何それ。もー可愛いこと言うんだから!このこの〜」

ちょ、脇腹つつかないでください。

この後もまだ仕事をしなきゃならないのに、ムラムラしてきたら困るじゃないですか。

そんな風にして、二人でイチャイチャとケーキを食べた後。

「ふわぁ〜…。お腹が満たされたら、段々眠くなってきたね」

現金なセカイお姉ちゃんは、大あくびを隠さずに言った。

「先に寝てて良いですよ」

「ルーチェス君は、まだお仕事なの?」

「えぇ」

「そっかー…。本当に忙しいんだね」

そうですね。

敬愛するルレイア師匠を救う為に、どうしてもやらなければならないことなのだ。

なら、やりますよ。

それが弟子の役目というものでしょう?

「それなら、お姉ちゃんもルーチェス君に付き合って、もう少し起き…」

「良いから、先に寝てくださいって。眠いんでしょう?」

「ふにゃぁ…」

…既に、半分眠りこけちゃってますね。

「ここで寝たら風邪引きますよ。ほら、ちゃんとベッドで寝てください」

「ん〜…。ルーチェス君がお姫様抱っこしてくれたら、素直にベッドで寝れる気がする…」

「ほう…?今日はやけに甘えてきますね」

「だってー…。ルーチェス君が構ってくれないんだもん」

それは済みません。

僕も構いたくて堪らないんですが、必死に理性で耐えてるんですよ。

さすがに、師匠が海外亡命してる間に、自分だけセカイお姉ちゃんとイチャイチャするのは申し訳なくて。

「この仕事が終わったら、思いっきり構ってあげますよ」

そう言って、僕はセカイさんをお姫様抱っこした。

お望みとあらば、ってね。

「おぉー…。何だかロマンチック…」

「そうですね…。セカイお姉ちゃんの重さは全然ロマンチックじゃありませんけど、いたたたたた」

「あら〜?そんな悪いこと言う弟くんは誰かな〜?」

済みませんでした。もう言いませんから。鼻つまむのやめて。

本当に眠かったらしくて、お姫様抱っこしてベッドまで運ぶと、セカイさんはあっという間に寝息を立てていた。

ふぅ。お休みなさい。

眼福、眼福。

ぶっちゃけ襲いたくて堪らないんですが、そういう訳にはいかないので。

うっかりムラムラする前に、仕事部屋に戻るとしましょうか。畜生。
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