The previous night of the world revolution8~F.D.~
ーーーーー…さて、箱庭帝国に亡命した俺とルルシーはというと。
「シェルドニア王国と比べると…箱庭帝国は良いな…」
その日、俺はルルシーと一緒に、箱庭帝国の朝市にやって来た。
屋台に並んだ品物を眺めながら、ルルシーはおもむろに、そう呟いた。
「?どうしたんですか、ルルシー…。藪から棒に」
「いや…。市場にミミズのペーストとか、皮の剥がされたシカが吊り下げられていないのが最高だなと思ってな」
成程。
どうやらルルシーは、あのシェルドニア王国中央卸売市場で見た光景が、未だに忘れられないらしい。
ちょっとしたトラウマなんですかね。
「箱庭帝国は、素朴な味付けの食べ物が多いですからね」
基本的に箱庭帝国は、昔から貧しくて、充分な食糧にも恵まれない国だった。
その為、食べ物はシンプルに、素材の味を味わう料理が多い。
正月とか、何かの記念日の時だけは砂糖を大量に使用した、甘い味付けのものを好むらしいが。
それ以外は、基本的に焼いたり煮たりしただけの、シンプルな料理ばかりだ。
それが口に合わなくて、マリーフィアは不満を訴えていたが。
シェルドニアのゲテモノ料理に辟易していたルルシーは、むしろそのシンプルな味付けが好ましいらしい。
「見ろよ…。野菜の一つにしても、ちゃんと緑色だ…。新鮮で美味しそうだな…」
しみじみ。
「と言っても、肉類は割とシェルドニア王国と似通ってますよ。ほら、ヘビ肉とかウサギ肉とか、普通に売ってますし」
俺は、肉類を売る屋台を指差した。
ほら。向こうにヘビ肉の切り身を蒲焼きにしたものが売ってますよ。
うなぎの蒲焼きっぽい見た目で。
向こうには、丸のままのウサギ肉も売ってますし。
何なら皮付きも売ってる。
食糧不足故に、箱庭帝国では肉と名のつくものは何でも食べる、という食文化があった。
今でこそ国が豊かになって、ほとんどなくなったそうですけど。
昔は、ヘビやウサギどころか、ネズミやカエルまで取って食べていたって話も聞いたことがありますし。
この辺り、シェルドニア王国と似てるかもしれませんね。
まぁ、箱庭帝国の民は、好き好んでネズミを食べていた訳じゃなく、食べるものがなかったから食べてただけでしょうけど。
「ルルシーがドン引きしてたイナゴやコオロギも、普通に売られてますし」
ほら。向こうの屋台。
シンプルに塩と香辛料で焼いた、焼きイナゴが売ってますよ。
「うっ…。で、でも…。この国は…かろうじて、ちゃんと美味しそうに調理してあるじゃん」
まぁ、そうですね。
少なくとも箱庭帝国は、シェルドニア王国みたいに、生きて蠢いているイナゴは売ってない。
これだけでも、見た目はだいぶマシですね。
「肉や虫じゃなくて…。魚。魚なら美味いんじゃないか?魚料理を買おう」
ヘビの蒲焼きやイナゴの塩焼きは嫌だったのか、魚介類を所望するルルシー。
成程。俺もお魚は好きですよ。
「分かりました。それじゃ、そこに売ってるお魚の塩焼きを買っていきましょうか」
「おぉ…。芳ばしい匂いがして美味しそうだな」
じゃ、買ってきますね。
…どうやらルルシーは気づいてないみたいですが。
今のうちに…っと。
俺は、屋台でお魚の切り身を塩焼きにしたものを購入した。
串に刺してあって、今すぐ齧り付きたいくらい良い匂い。
「はい、ルルシー。買ってきましたよ」
「おぉ…ありがとう。美味しそうだな」
と言って、ルルシーは早速、お魚の串焼きに齧り付いた。
「シェルドニア王国と比べると…箱庭帝国は良いな…」
その日、俺はルルシーと一緒に、箱庭帝国の朝市にやって来た。
屋台に並んだ品物を眺めながら、ルルシーはおもむろに、そう呟いた。
「?どうしたんですか、ルルシー…。藪から棒に」
「いや…。市場にミミズのペーストとか、皮の剥がされたシカが吊り下げられていないのが最高だなと思ってな」
成程。
どうやらルルシーは、あのシェルドニア王国中央卸売市場で見た光景が、未だに忘れられないらしい。
ちょっとしたトラウマなんですかね。
「箱庭帝国は、素朴な味付けの食べ物が多いですからね」
基本的に箱庭帝国は、昔から貧しくて、充分な食糧にも恵まれない国だった。
その為、食べ物はシンプルに、素材の味を味わう料理が多い。
正月とか、何かの記念日の時だけは砂糖を大量に使用した、甘い味付けのものを好むらしいが。
それ以外は、基本的に焼いたり煮たりしただけの、シンプルな料理ばかりだ。
それが口に合わなくて、マリーフィアは不満を訴えていたが。
シェルドニアのゲテモノ料理に辟易していたルルシーは、むしろそのシンプルな味付けが好ましいらしい。
「見ろよ…。野菜の一つにしても、ちゃんと緑色だ…。新鮮で美味しそうだな…」
しみじみ。
「と言っても、肉類は割とシェルドニア王国と似通ってますよ。ほら、ヘビ肉とかウサギ肉とか、普通に売ってますし」
俺は、肉類を売る屋台を指差した。
ほら。向こうにヘビ肉の切り身を蒲焼きにしたものが売ってますよ。
うなぎの蒲焼きっぽい見た目で。
向こうには、丸のままのウサギ肉も売ってますし。
何なら皮付きも売ってる。
食糧不足故に、箱庭帝国では肉と名のつくものは何でも食べる、という食文化があった。
今でこそ国が豊かになって、ほとんどなくなったそうですけど。
昔は、ヘビやウサギどころか、ネズミやカエルまで取って食べていたって話も聞いたことがありますし。
この辺り、シェルドニア王国と似てるかもしれませんね。
まぁ、箱庭帝国の民は、好き好んでネズミを食べていた訳じゃなく、食べるものがなかったから食べてただけでしょうけど。
「ルルシーがドン引きしてたイナゴやコオロギも、普通に売られてますし」
ほら。向こうの屋台。
シンプルに塩と香辛料で焼いた、焼きイナゴが売ってますよ。
「うっ…。で、でも…。この国は…かろうじて、ちゃんと美味しそうに調理してあるじゃん」
まぁ、そうですね。
少なくとも箱庭帝国は、シェルドニア王国みたいに、生きて蠢いているイナゴは売ってない。
これだけでも、見た目はだいぶマシですね。
「肉や虫じゃなくて…。魚。魚なら美味いんじゃないか?魚料理を買おう」
ヘビの蒲焼きやイナゴの塩焼きは嫌だったのか、魚介類を所望するルルシー。
成程。俺もお魚は好きですよ。
「分かりました。それじゃ、そこに売ってるお魚の塩焼きを買っていきましょうか」
「おぉ…。芳ばしい匂いがして美味しそうだな」
じゃ、買ってきますね。
…どうやらルルシーは気づいてないみたいですが。
今のうちに…っと。
俺は、屋台でお魚の切り身を塩焼きにしたものを購入した。
串に刺してあって、今すぐ齧り付きたいくらい良い匂い。
「はい、ルルシー。買ってきましたよ」
「おぉ…ありがとう。美味しそうだな」
と言って、ルルシーは早速、お魚の串焼きに齧り付いた。