The previous night of the world revolution8~F.D.~
ルアリスのメールに呼び出され、やって来たのは。

箱庭帝国の政府機関である、『青薔薇委員会』の本部。

ルアリスは、そこで忙しそうに仕事を励んでいた。

「こら童貞坊や。来てあげましたよ」

「あ、ルレイア殿…」
 
俺とルルシーが到着した時、ルアリスは執務室で書類仕事に没頭していた。

「良かった。来てくれたんですね」

あなたが呼び出したんでしょうが。

「わざわざ多忙な俺を呼び出したんだから、きっと大層な用事があるんでしょうね?」

「いや、あの。それは…」

きっと、箱庭帝国の命運を左右する一大事が起きたに違いない。

わざわざ俺を呼び出すくらいなんだから、当然ですよね?

しかし、ルルシーは冷静に、俺の横でツッコミを入れた。

「…お前な、亡命させてもらってる身で何でそんなに偉そうなんだ。別に何の用事もなかっただろうが」

いやん。それは言わないお約束。

「ほんっと…躾がなってなくて済まんな、ルアリス…。…この馬鹿、後で二、三発殴っておくから…。気を悪くしないでくれ」

ちょっと。本人の前でDV宣言はやめてください。

「いや、あの…。慣れてるので、大丈夫です」

「…それで、今日はどうしたんだ?俺とルレイアに、何か話でもあるのか」

「あ、はい…。それなんですけど…」

言い淀んだルアリスは、ほんの少し考えてから。

「実はちょっと…相談したいことがあって」

…相談?

「ほう…?俺の知恵を借りたいということですか」

「はい、そうです…」

ふむ。可愛いところがあるじゃないか。

それならそうと、素直に言えば良いものを。

ルアリスの相談事か…。まぁ、大体検討はつく。

まったくこんなことに悩んでるなんて、男として情けない。

「ここじゃなくて、俺の自宅で相談、」
 
「馬鹿ですね、あなたは」

「…はい?」

やれやれ。困ったもんですよ。

「嫁に風俗通いがバレたからって、どうしたって言うんです?女遊びの20人や30人、物の数に入りませんよ」

「は…!?」

「ぶはっ…」

ルアリスは驚愕に目を見開き、ルルシーはその隣で吹き出していた。

「どんなに美味しいご馳走だって、毎日食べてたら飽きるでしょう?たまには違う味を食べてみたくなるのは当然のことです」

たまに違う味を食べて、気分を変えることによって。

より、普段のご馳走が美味しく感じるというもの。

味変ですよ、味変。

ずーっと、毎日、おんなじ味を食べてたらマンネリするでしょう?

「そんなことで目くじらを立てる女は、実力行使で分からせるしかないですね。その場に押し倒して『分からせ』れば良いんですよ。そうすれば自然と大人しくな、もごもごもご」

折角、俺が大人のアドバイスをしてあげているというのに。

途中から、ルルシーに口を塞がれてしまった。いやん。

「ごめんな…。うちの馬鹿ルレイアが…」

「…いえ…あの…。…もう慣れてますから…」

ルアリス、遠い目。

…俺のアドバイスが気に入らないとでも?
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