The previous night of the world revolution8~F.D.~
『青薔薇委員会』本部のすぐ近くにあるルアリスの自宅は。

これが本当に国家の代表の家か?と見紛うほどに質素で、ちっぽけな家だった。

思わず呆れてしまった。

「あなたって人は…。もう少しマシな家に住んでも、国民は文句を言いませんよ」

威厳ってものが感じられませんね。あなたの家からは。

「いえ、そんな…。家族で慎ましく暮らすだけなら、大きな家なんて必要ありませんから」

それで、こんなちっぽけな家に暮らしてるんですか。

まぁ本人がそれで良いなら良いですけど。

箱庭帝国の民も、まさか自分達の代表が、こんなみすぼらしい家に住んでるとは思ってないでしょうね。

「どうぞ、入ってください」

「お邪魔しまーす」

ルアリスの自宅に侵入。
 
いやぁ。胸が高鳴りますね。

「ルアリス坊っちゃん。お帰りなさいませ」

出迎えてくれたのは、ルアリスの嫁…ではなく。

ルアリスの側近、かつ執事のユーレイリーであった。

あなた久し振りですね。この家で召使いやってたんですか。

「おや、お客様ですか。ルアリス坊っちゃん…」

「あぁ。ルレイア殿とルルシー殿に…。…あのことを頼もうと思って」

…あのこと?

「あぁ、成程…。確かに、お二人なら相応しいでしょうね」

「そうだろう?セトナさんも納得してくれると思うんだ」

一体何の話でしょうね。

相応しいとか、納得とか。

「それじゃ、子供部屋に案内されますか?」

「あぁ。そうするよ」

「後でお茶をお持ちします。…どうぞ、こちらに」

「どうもー」

ユーレイリーに案内されて連れて行かれたのは、客間ではなく。

何故か、子供部屋だった。

やたら可愛らしい壁紙とカーペットの敷かれた部屋に、ピンク色のベビーベッドが置いてあった。

そのベビーベッドには、おくるみに包まれた猿みたいな赤ん坊が、間抜けな顔で眠っている。

更に子供部屋の中には、ルアリスの嫁であるセトナさんがいて。

チビの子供を一人、着せ替え人形で遊ばせていた。

何でチビガキが二人も、と思ったけど。

「そういや、もう一匹量産されてたんでしたね」

「いっ…一匹って…」

一匹じゃないですか。ガキなんだから。

しかも、二人共メスガキだそうですよ。

将来有望ですよね。

「あ、ルアリスさん…。お帰りなさい」

「ただいま」

ルアリスは、子供を遊ばせていたセトナさんに挨拶していた。

すると、セトナさんが遊ばせていたチビガキが、こちらに気づき。

「ぱぱー」

とか言って、ちょこちょことルアリスに駆け寄ってきた。

「よしよし。ただいまー」

そのチビガキを、ルアリスがひょいっと抱き上げた。

実に微笑ましい、家族の一家団欒である。

…おぇ。
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