社内捜査は秘密と恋の二人三脚
「どうして……そんな」
憤りながら彼を見ていたら、黒縁眼鏡の縁から私を見て笑っている。
「北村さん。今日見たことは誰にも言うなよ。そして聞いたことも誰にも話すな。それが君のためだ。それと、とりあえず君の書類を運ぼう。手伝うよ」
そう言って、外に出るとカートを引いてくれた。
「重いぞ、これ。こんなに重いのをよくひとりで運んできたな。君、すごい力持ちなんだな」
「そう?こんなの普通よ」
「いやいや、俺の周りの女性なんて三十枚の紙を持たせただけで手が痛いとか言うし、君はすごいな」
「その女性達って普段何をしている人ですか?三十枚程度で手が痛いって……」
「いや、君を見てるとつい比べたくなって口が滑った。これも内緒で頼むよ。それと俺の本当の姿は黙っていてくれ」
「本当の姿ってなに?とりあえず、知らないフリしますけど、条件があります」