社内捜査は秘密と恋の二人三脚
彼が私の方を見た。
「何?」
「あなたがこれから調べてわかったことや先ほどの不正らしき金額がいったいなんなのかを私にも教えて下さい」
「……それはできないな」
「そうですか。では、私はあなたが誰なのか部長に聞いてみましょうか」
「部長に聞いても何も答えないと思うよ」
「嘘をついているみたいだと周りに報告しましょうか?」
鈴木さんは私をじっと見ると、段ボールを全部持ち上げて運んでくれた。
「わかったよ。君に話せることがあればいずれ話すよ。でも約束してくれ。自分からこの問題に首を突っ込むな」
ふたりで目を見つめ合って数十秒。私はため息をついて答えた。
「わかりました。でも、耳にしたことを忘れるとか私出来ませんので……特に先ほどの話の中に出てきた数字とか」