社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「とにかく、俺たちはそっちの社長とうちの木下取締役をどうすべきか、親父と話し合う。それと、そっちの会長については親父から話をしてもらうとするか」

「よろしくお願いします」

「関根君は次の部長候補だな。今回のことがうまくいったら一度一緒に一席設けてもらう」

「わかりました。じゃあ、俺はこれで失礼します」

「ああ、気をつけて」

 本社ビルを出て、タクシーに乗った。里沙が心配だ。最近は彼女のことばかり考えている。

 何か言われていないといいが……。心配だ。

 里沙は俺がどこの誰だかわかっていないだろう。

 最初のキス。あの時は地下の廊下で、おびえながら震えて俺の胸にすがりついてきた。
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