社内捜査は秘密と恋の二人三脚

「おそらく、今週いっぱいだ。君が出社したときにはいないだろう」

「……そう。じゃあ、もう会えないのね」

「里沙、俺は……最初の約束通り、きちんと話す。向こうへ帰る前に連絡する」

「……わかった。待ってる」

 彼は私をそっと抱き寄せ、そのまま消えた。

 その週の金曜日の夜、彼に文也さんの店へ呼び出された。奥へ案内されるとそこは立派な応接室だった。

 行ってみると、関根課長と斉藤さんも来ていた。私は彼とふたりじゃなかったということもあって少し落胆した。
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