社内捜査は秘密と恋の二人三脚
「今から、部長がここへ来る」
「え?」
しばらくして、部長がやってきた。
「ああ、北村さん。君を巻き込みたくなかったけど、味方に出来れば事を暴きやすくなる。実はね、営業部からあがってきている書類におかしなことがいくつかあって気づいたんだ。さっき鈴木君があとをつけてきた二人はその案件の担当者。詳しく調べるために彼には来てもらったんだ。つまり、監査応援というのは口実なんだよ」
「……それ本当なんですか?それなら、専務もご存じですよね」
「それがだね……。専務がそのおかしいことを僕と同じように気付いて指摘してくれれば良かったんだけど、一向にその気配がない。そのおかしいものまで承認してしまったんだ。それで、僕としては専務も怪しいと思ってるんだよ」
嘘でしょ……。
「部長はどうしておかしいと気がついたんですか?書式は他の部署も一緒だし、そこまで見てるんですか、全部」
鈴木さんが笑いながら言う。