社内捜査は秘密と恋の二人三脚
「いや、北村さん。君、目の付け所がいいね。君こそ探偵になれそうだ」
「もう、茶化さないで」
部長は苦笑いをしながら私を見た。
「まあ、こういうことがないように目を光らせていたと言ったらわかるかな?何かやるとしたらこのやり方だろうなと想像していた。だから気をつけてみていたんだよ」
「……専務は忙しいし、気をつけてみていなければ気がつかないんじゃないですか?関与してるとは限らないのではないですか?」
部長が険しい顔で答えた。
「いや、実は最近、僕が専務へ書類をあげる前にトラップを仕掛けた。要するに、気がついて指摘しやすいようにして専務に回した。それなのに、なにも言わない。敢えて見ない振りをしたとしか思えないんだよ」
「……なるほど」
「というわけで、僕の言うことを信用してくれるなら、少しの間専務の状況を把握したいので協力して欲しい。監査前までに片付けたいんだ」