社内捜査は秘密と恋の二人三脚

 一区切りついたところでガラス越しにフロアを見たら、鈴木さんが戻ってきていた。

「北村さん」

「はい」

「とりあえず、そっちの部屋で内密の電話をしてくるから、誰にも取り継がないで……」

「はい、わかりました」

 ガチャッと音を立て出て行った。専務の後ろ姿を見ながら、考える。こんなことはしたくないけど、ゆっくり立ち上がって専務が入っていった部屋のドアに耳を付けた。

「……いや、大丈夫でしょう……え……あ……やしい奴……ですが……はい」

 すると、私の電話が鳴った。しょうがないので、席に戻った。

「はい、会計部秘書北村です」

「営業二部の斉藤です」
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