でこぼこ
できるだけ笑美さんが話しやすい様に時
間を少しおいてゆっくりと話す。
「焦らなくていいです。ゆっくりでいいので話してくれますか?」
「...。」
お互い少し沈黙が続いた。
「昔、やり合ってた奴らに、殴られた。」
呟くように話し始めた。
俺はそれを何とか聞き取ろうと耳を傾ける。
今にも泣きそうな表情をしている。
「私は大切な人を殺してしまった。」
「え?」
衝撃的な言葉を笑美さんから聞いて心のガラスを破られた気がした。

「鉄パイプの下敷きになって私は軽い怪我だったけどあいつは私を守る様に覆い被さっていた。」
「それって笑美さんが殺したんじゃないですよ。」
「私があの時もっと周りを見ていればあいつは...。」
笑美さんの声が震えている。泣いている。
俺はたまらなくなって笑美さんの手を握りしめた。
「大丈夫です。ゆっくり話してください。」
俺は言葉を選びながらゆっくり時間をかけて話す笑美
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