でこぼこ
さんを見た。
「あいつの親にお前が殺したって言われた。」
「笑美さんのせいじゃないのに」
「返す言葉が見つからなくてあいつを助けられなかったのが悔しくて泣く事しか出来なかった。」
笑美さんがその時どんなに辛くて悲しくて悔しかったのか俺にはわからない。
何でそ んなに重いもんを背負っているのか。
この人は何も悪くないのに。
「私があいつと出会わなければ死ななくて済んだんだ。」
「そんな...。」
これ以上何を言っていいのかわからない。
ふと見ると笑美さんの汚れた小さな手に涙が落ちていた。何滴も何滴も。
深々と被ったフードの裏で泣いているのがわかる。
「笑っちゃいけない、泣いても怒っても楽しいって思っても喜んじゃいけない...。
あいつの親にそう言われた。
夢もまだ叶えられていなかった未来もあったのに殺された恨みだって言われたらそうするしかないと思った。」
黙って見守るしかなかった。
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